1998年に発行されたICNIRP(国際非電離放射防護委員会)のガイドラインに基づき、日本でもJIS規格や磁界規制が制定されました。株式会社電力テクノシステムズは、この動向に対応し、磁界測定器「TMM-Ⅰ」を開発・販売して以来、20年以上にわたり製品を提供してまいりました。
そして今回、最新のJIS規格改訂に合わせて、「何処でも、簡単に」のコンセプトを維持しつつ、複数の新機能を搭載した 小型磁界測定器「TMM-Ⅲ」 を新たにリリースしました。
ボタンをワンクリックするだけで、3軸の各計測値と合成値を一括表示し、素早く簡単に磁界強度を測定できます。また、片手で持てる軽さとコンパクトさに加え、高さ1mからの落下にも耐える程度の耐久性を備えているため、現場でも安心して使用できます。
1mの水深に30分間浸しても内部に水が浸入しないIPX7規格に適合した高い防水性能を備えており、突発的な雨など作業環境の変化がある過酷な現場においても問題無く動作します。
本製品は、2017年に改訂されたJIS C 1910-1の要求事項を全て満たした磁界測定器であり、高い精度と信頼性を確保しています。磁界の規制値について記載されている「電気設備技術基準の解釈」において、磁界測定にはJIS C 1910-1:2017に適合した測定器の使用が求められており、本製品はその要件を満たしています。
ピークメモリ機能を搭載しており、ボタン操作により任意の測定時間内での最大磁界強度値を自動記録できます。測定中に常時数値を確認する必要がなく、突発的な磁界変動を見逃すことなく把握できるため、高い実用性を発揮します。
通常の広帯域モード(40~1000Hz)に加え、商用電源周波数帯(50~60Hz)に特化した狭帯域モードを搭載しています。これにより、送電線や変電所、工場、オフィスなどの商用電源が使用される環境で、不要なノイズを低減しながら、特定の周波数帯域における磁界強度を正確に測定できます。
無線通信機能を搭載し、付属の無線通信用デバイスを用いて測定器の内部にメモリした測定データをPCに転送できるため、従来の手動記録の手間を大幅に削減できます。測定結果はCSV形式で出力可能で、データ解析やレポート作成がスムーズに行えます。
本体底部に三脚取付ネジを標準装備しており、市販のカメラ用三脚に取り付けて使用できます。そのため、任意の高さに固定し、安定した状態で磁界測定が行えます。手持ちでの測定では再現が難しい長時間測定や、特定のポイントでの精密な磁界測定に最適です。
項目 | 内容 |
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センサー | 3軸空心同心コイル |
周波数特性 | 広帯域モード:40Hz~1000Hz(±2%以内 狭帯域モード:50Hz~60Hz |
測定レンジ | 0~5μT ~25μT ~125μT ~625μT 4レンジ自動切換 |
分解能 | 0.01μT 0.05μT 0.25μT 1.25μT 4レンジ自動切換 |
磁界測定確度 | ±5%rdg±1dgt以内(40Hz~1000Hz) ±2%rdg±1dgt以内(50Hz~60Hz) |
表示内容 | (1)各軸の真の実効値と合成値 (2)バッテリー残量表示 (3)MEASまたはHOLD(測定時の値かホールド中の値かを表示) (4)1行表示、最大値表示切替(HOLD時) |
表示更新間隔 | 1秒 (測定値と合成値)オートリフレッシュ |
電源 | 単3形アルカリ乾電池2本(別売) (連続使用時間:約30時間程度 使用条件:20℃,50%) |
メモリ機能 | HOLDボタン押下の時刻、各軸及び合成値の値、任意の時間区間の最大値及びその時刻 |
メモリ数 | 100個(メモリが一杯になると古いデータから上書きされます) |
通信機能 |
①保存データの取得 ②保存データの削除 ③日時の設定 ④自動パワーオフの有効/無効 ⑤プログラムバージョンの取得 ⑥装置IDの取得 |
最大値保存 | 測定開始してからHOLDボタンを押すまでの間の最大値をメモリします |
電源オフ機能 |
測定モード中に20分間無操作で電源オフ(PC通信により電源オフ機能の有効/無効の設定が可能) |
本体寸法 | 88mm(W)×33mm(H)×146mm(D) |
本体重量 | 310g(電池含む) |
使用温湿度範囲 | 温度:-10℃ ~ 45℃ 相対湿度:5% ~ 95%以下(結露なきこと) |
防水性能 | IPX7 |
付属品 | 梱包用段ボール、ソフトケース、無線通信用USBアダプタ、ストラップ取付ネジ、ダウンロードカード |
インストール | 取扱説明書(保証書付)、無線通信用ソフトウェア |
その他 | 試験成績書、検査成績書、校正証明書、検査証明書(シール)を本器に添付、校正試験設備の校正証明書(写)とトレーサビリティ体系図(写) |
納期 | ご注文受付後1カ月(ご注文の状況によりもう暫く日数を頂く場合がございます) |
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測定活動を適正に行うためには、測定機器が信頼できるものであることが必須条件になります。そのためには測定機器の校正を定期的に行うことが重要です。
弊社では磁界測定器の開発により培った技術力を活かして、JIC C 1910-1:2017に適合した自社校正設備ならびに手法を用いて信頼性のある校正試験の実施が可能です。
その他の特性、オプション等につきましては、磁界発生装置能力の範囲内で
お客様のご希望される特性を評価いたしますので、お問い合わせください。
磁界について知るためにまず読んで頂きたい入門資料になります。磁界の基本概念や種類、電磁界の生体への影響、健康への影響の歴史、国際的なガイドライン、日本における磁界に関する法規制について解説しています。
電力設備から発生する磁界の測定に関するJIS規格には「JIS C 1910-1:2017」および「JIS C 1910-2:2017」があります。本資料では、まず「JISとは何か」を説明し、その後に本規格が制定された背景や経緯について触れています。
本資料は「JIS C 1910-1:2017」の項目一つ一つについて、補足説明やイラスト付きで解説した内容になります。解釈の難しい表現や、専門書特有の難解な文言を、可能な限りわかりやすく表現に直して説明しています。
電気設備技術基準の解釈に記載されている磁界強度測定に関する内容をケース別にイラスト付きで具体的に示しました。法律特有の難解な表現を避け、法体系に沿って説明しているため、専門知識がなくても理解しやすい内容になっています。
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